興味本位で観始めましたが、毎週とても楽しんで観ています。録画して観返すほど嵌っています。
役者の皆さんの演技と、演出・ストーリーと両方がいいです。
木南さんは、パンが好きとは思えないほどスリムで、それがダンスシーンでも過度にセクシーにならずに美しいです。
田中さんでいるときと、saliでいるときのギャップも凄いけれど、あえて美しくなく撮った場面など、NHK朝ドラのヒロインがいつまでも老けないのとは対照的で、女優として限界まで体を張って「田中京子」を生きている感じがします。
生見さんは、表情の変化による感情表現が素晴らしく、表向き八方美人で可愛く生きている倉橋朱里の、人間的な喜怒哀楽が生き生きと伝わり、目が離せません。生見愛瑠さんのことは初めて知ったのですが、天才的な女優さんと思います、
男性陣も皆いい味出していて、思わず笑ってしまうのは男性たちのリアクションによるところが大きいです。背景が真っ黒になる演出も面白くて笑ってしまいます。
内容的には、極端に内向型で社交性に乏しい田中さんと、外交的で社交性が高い倉橋さんとでは、普通は社会的に接点が生まれなさそうですが、それこそベリーダンスの魔法で二人が繋がり、互いに影響し合いながら新しい自分になっていくという物語は、大人のファンタジーというべきで、とても素敵で夢があります。
偏見の塊のような笙野に意外と家庭的な面があったり、小西も憎めなかったりと、男性陣も多面的で魅力的。一番謎なのは進吾です。彼らがどう変わっていくのかも興味津々です。
あえて難易度高めの期待を書きます。現状では、田中京子も倉橋朱里も、現代の女性たちを縛り付けている外見重視主義=ルッキズムの呪縛から自由ではないように見えます。
安田顕演じる三好の「女性はいるだけで皆美しい」という言葉が、2人があらゆる呪縛から解放されて「ガラスの天井を打ち破って」本当の自由を手に入れていくという、より深いテーマに繋ってきたら、ラブコメの域を超えた普及の名作になると思います。